そして遂に、驚き屋になった
こんにちは。AIの進化が凄まじいですね〜。ここ最近はAIの話しかしてません。タイトルの通り、あまりにも進化が早いので、驚き屋アンチの私もただの驚き屋になっています。o1 Pro 、Gemini 2.5 Pro、そしてつい先日の o3 の登場によって、十分に検証できないまま、ただただ「AI のちからってすげー!」状態になってます。
驚き屋にならないためにせめてバイブコーディングだけでも、と嗜んでいますが、バイブコーディングはどこまでいっても当面の間は人類が足枷になる認識で変わらなさそうです。既存システムの莫大なコンテキストをデータ化するのは人間には厳しそうです。だからこそ、ドキュメンテーションやテストの領域からエントリーさせるのが簡単なわけですが、新規のシステムやプロダクトであればその懸念も払拭されるので、新たに何か始めるならバイブコーディングで全てのことを済ませたいですね。
正直なところ、ソフトウェアエンジニアという存在を単体見れば、近い将来、歴史に生かされているような存在になると思います。 過去にアプリケーションを作ったから、過去にシステムを作ったから、過去にプロダクトを作ったから、そしてそれらのデータやコンテキストが十分に残っていないから、自分で設計してコードを書いてテストしなければならない、みたいな。 そういう意味では、バイブコーディングといった AI 主体の開発への移り変わりは想像よりも上手く進まないと思います。過渡期として 10 年くらいはコードを書いて飯を食っていけるんじゃないでしょうか。
バイブコーディングや AI を活用した開発という観点よりも、もっと恐ろしいのはシステムやプロダクトの在り方が根底から変わることです。「SaaS is dead」みたいな言葉がありますが、遅かれ早かれプロダクトの在り方が変わります。擦られすぎてもはや当たり前の話になりますが、一般的な SaaS が提供する人類向けの GUI インターフェースは衰退します。ようやく、人類はボタンをポチポチする行為から卒業できるというわけです。
既に MCP や A2A の可能性を目の当たりにしているでしょうが、人類向けのインターフェースのほとんどはチャットに集約されます。もっと言えば、自然言語を扱える何らかのインターフェースだと考えています。いまはテキストベースのチャットインターフェースが主流ですが、音声や視覚のインターフェースもあるはずです。
そのため、人類向けのインターフェースを提供するシステムやプロダクトの価値は、それらが抱えるデータに強く依存します。ここでいうデータは、利用者が入力したデータではなく、提供側が抱えるデータです。利用者が入力した情報の統計的なデータや、ドメインに強く結びついた価値のあるデータです。 データストアとして、どのような価値を提供できるかに目を向けなければなりません。
そしてこの話は、既存のソフトウェアエンジニアの仕事を大きく変えます。ソフトウェアに関する人類向けの UI / UX はそれほど強く求められない時代が、やがてやって来ると考えています。 AI エージェント向けのブラウザが登場したように、AI エージェント向けの UI / UX 、言うなれば AII / AIX が求められるでしょう。そして、AI が利用するためのデータストアの最適化が求められるでしょう。わかりやすいところで言えば、セマンティックサーチしやすいようなデータとして最適化するでしょう。
職業の在り方のみならず、それらの職業が関わるシステムやプロダクトの在り方も変われば、組織のかたちも大きく変わります。 今は AI エージェントとエンジニアが伴走するかたちで仕事をするスタイルが主流ですが、これは長く続くのでしょうか。そもそも、エンジニアが AI エージェントを利用しているのは AI の仕事領域が開発支援までに留まっているからで、冒頭で話した通り、特に新規のシステムやプロダクトでは開発支援から逸脱して開発そのものをある程度行えます。あるいは、既存プロダクトやシステムでも不具合の修正やパッケージのアップデートでは猛威を振るいます。そのため、エンジニアが AI エージェントと伴走するのは既存のシステムやプロダクトの開発に限られていくんじゃないかなと思います。既に存在しているもの以外の開発では、極めてスケーラブルな開発リソースを人類は手にしかけています。
Cline、Copilot、Devin などの開発支援ツールをうまく使ってエンジニアとしてのパフォーマンスを高めていく、という考え方ではなく、それらのツールを利用して、AI エージェントをマネジメントする人としてパフォーマンスを高めていく、と考えた方がよいでしょう。そして、それはもはやエンジニア組織/開発組織の人材ではないかもしれません。ここから数年かけて、エンジニア組織は AI イネーブルメント組織に移り変わっていくんじゃないかと思ってます。
そんな未来を妄想しているわけですが、私自身はカタカタカタカタとコードを打ち込むのが大好きな人間で、やっぱりコードを書いてる時が最も楽しいので、再び人類が AI に幻滅して「やっぱり人類がコードを書かないとね!」なんて言ってる未来が来て欲しいです。コード書かせて!
電車の中で走り書きしたので話したいことがあんまり上手くまとまってないですが、このあたりの妄想を繰り広げるのは得意なので、AI の活用に思いを馳せている方は話しましょう。DM ください。